SF

派閥によって内戦状態に「ダイバージェントNEO」感想

前回の「ダイバージェント」に引き続き「ダイバージェントNEO 」を観ましたので感想を書いていきたいと思います。

予想していたことではあるのですが、やはり続編も微妙な完成度でがっかりといった印象です。

シカゴ内での異なる派閥によって内戦状態に

あらすじ

トリスは叛乱を起こすべく、味方を探してフォーと共に駆け回っていた。しかし、2人は博学を司る「エリュアダイト」の指導者、ジェニーンに捕えられてしまう。2人は無欲を司る「アブネゲーション」が自分たちの生活を犠牲にしてまで何を守っているのか、また、なぜ「エリュアダイト」の指導者は「アブゲネーション」の行動に対して何もしないのか、ということを解明しようとする。それは時間との戦いでもあった。トリスは自分の過去の選択を悔いる一方、自分が愛する人々を守るために手段を選ばなくなっていく。やがて、トリスは過去にまつわるある秘密、自分が生きる世界の未来をも揺るがすような真実に行き当たる。

Wikipediaより引用

Wikipedia先生に任せましたが、概要はこんな感じです。

追われる身になったトリス達がいろんな派閥の人間たちの元を訪れて四苦八苦するようなストーリーです。

 

その中で出てくるのがジェニーンに対してどうやら恨みがある様子のフォーの母親であるイブリン

 

イブリン達は無派閥のコミュニティーを作っており、トリス達と手を組み博学にジェニーンを倒そうと持ちかけます。

 

またジェニーン達はジェニーン達で謎の箱を開封するため異端者狩りに奔走します。

この謎の箱というのが今作のキーアイテムですね。

トリスは異端者の中でも特別な存在ということが発覚

 

ジェニーンが開けようとしている(パンドラの箱的な)は、異端者に特別なテストをさせてそれにパスしなければ開けられないようです。

 

その箱を開けられる人物がトリスであるということが物語の途中で発覚するのですが、この箱が「ダイバージェントFINAL」の伏線になっています。

全体的にシカゴ内での小競り合い

ダイバージェントNEOではシカコ内で派閥同士で終始小競り合いをしているといった印象。

 

トリス達は無派閥が危険だということがわかると今度は高潔の派閥におもむき、そこで更に博学との小競り合いに発展。

 

なんだかんだすったもんだあってごちゃごちゃといろんな派閥同士が戦い、物語は気づけばクライマックスへ(雑w)

前作と比べると多少物語に広がりはあるのですが、スケールの小さな争いといった印象は変わらず。

ヤングアダルト向け映画である割にわかりにくい属性

今作はヤングアダルト向けの映画作品なのですが、派閥の人間関係がいかんせんわかりにくいです。

博学と勇敢の戦いみたいな感じになっていまして、その他の派閥は印象が薄くて、お互いにどういった関係であるか、

利害関係はあるのか、無派閥は一体何をやって生きているのかについていまいちわかりにくいなと感じました。

物語が進むに連れて、今はこの派閥だけど昔はあの派閥にいたから〇〇みたいな人が何人か出てきますが、どこの派閥の人もあんまりやってること変わらない様な気が……。

 

実際に平和の派閥の人も最初は争いなんてもってのほかみたいな雰囲気を醸し出していたのに、徐々にその雰囲気も無くなっていきますし、

博学なんて、博学と言うくらいなのでお勉強ばかりしているのかと思いきや、勇敢の人間を参加にして高潔を攻撃したりと何でもありです。

 

派閥というか属性を決めたのであれば、その通りの行動を一貫性をもってやってほしいところ。

飽きにくい展開は多いので、あまり退屈ではない

第一作に比べると、急展開であることが多く飽きさせない工夫はされています。

 

急展開が多い上に、新しい人物も多く登場しますので名前を覚えたり関係性を整理するのに大変で、飽きている暇はあまりない様な進み方をします。

 

とはいえ見どころが多いというとまた違う気がしますが……。

 

主人公の女優の演技は良かった

主人公役の女優シェイリーン・ウッドリーの演技は中々悪くなかったです。

 

特に自分が殺してしまった人がいることを自白する尋問のシーンでは、自白剤を飲まされつつもそれに抗おうとして苦しむ様子が中々演技派だなーとか思ったり。

 

表情がアップで映される部分の目で語る感じもリアルかつ細かくて、前回の平坦な感じから少し脱出しているような印象を感じました。

 

せっかくの設定を活かしきれていない

 

この映画に限らずSFは映画は設定が最重要だと常々思っており、

さらにその設定をうまく活かせていないと駄作になりがちだと思うんですよね。

 

ダイバージェントもご多分にもれず設定をうまく活かせていないと感じますね。

せっかく派閥システムがあるんですから、その設定を活かしてそれぞれの派閥の特殊能力があるとか、

相克関係があるといった要素があればもっとファンタジー感が増して、ヤングアダルト層にも受けたんじゃないかなと残念に思いました。

まとめ

 

以上「ダイバージェントNEO」の感想でした。

 

人類を仕分けして派閥システムを作ることによって巻きおこる差別や人間同士の関係性、結局その中でも優劣があり、見えないピラミッド構造になっている点

 

派閥のどれにも適応していたり、そのどれにも属さない人間が出てきてそれを排除しようとする動きなどを観ていると、

人間の差別や区別、同調圧力や対立などの現代の人間社会でもありがちな構図を描いていたりして、

中々皮肉なシリーズだなと思いました。

 

ものすごく面白いかと言われたら普通に疑問符が浮かびますが、もうすぐゴールデンウィークで暇な人はササッと早送りで見る分には別に良いのかなと。

 

完結作である続編に期待ってところですね。

  • この記事を書いた人
夏乃

夏乃

管理人の夏乃です。 映画好き。年間100本程度映画鑑賞をしています。 気になった映画は原作小説を読むことも多く、映画音楽も好きです。 デザイン職なので、デザイナー視点での映画レビューも出来たらなと考えています。 映画で人生を深く豊かにしたい。

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